入りにくい天国はあるけれど、入りにくいから天国とは限らない

入りにくい店というのがインターネットの力によってずいぶん減ってしまった、と思いませんか。
減ってしまった、という言い方をすると、いささかネガティヴに聞こえるかもしれませんが、半分本気でネガティヴだと思っています。

扉がすりガラスだったり、長いのれんで隠されていたり、あるいは鉄の扉だったり。中が見えない酒場というのは入ろうというときにドキドキするものですが、これがなんとGoogleマップで覗き見できてしまうわけです。

口コミサイトが主流だった頃にはまだそんなことはあんまりなくて、入りにくい店にはレビューなんてそんなについてなくて、ほぼ中の見えない扉の外から眺めているのと大差なかったように記憶しているのですが、どうもGoogleマップに情報が集まるようになってから、そういった店にもある程度の情報が集まるようになったような気がします。

きっとそれはインターネット上の承認欲求の満たし方の違いによると思うのですが、もっとすごいのがショート動画ですよね。そんな店って紹介しちゃっていいの?!という、おじいおばあとかが一人でやっているような店が、コスパ最高とかって紹介されてしまうわけです。その店にへんな行列をつくらないで〜!

いえもちろんこの世は資本主義。お金がなくて困ることはままあるでしょうが、お金が余って困るということはきっと少ないでしょう。ですから毎日たくさんのお客さんがきまくって、じゃんじゃかお金を使っていただくということは、基本的には良いことだと思うのですが、酒場には生態系ともいえるようなものもあるわけです。

そんな昨今でもインターネットのそういった側面に発見されず、変わらず入りにくい店というのがあります。
いくつかパターンはあるでしょうが、ひとつは、いつ行っても店主がベロンベロンの店です。行ったことありますか、店主がベロンベロンの店。

僕はね、けっこう好きなんですよ。しばらく前に訪れた店も、それはもう立ってるのがやっとなんじゃないかというくらい店主が酔っている串焼き屋さん。なんでも先週何日か休んでしまったとかで、それを心配した常連さんが開店と同時に流れ込んできて、大丈夫っすか!心配したんすよ!と次々に酒をくれるんだと。みんながくれるんなら飲むしかねえよう、と明らかに嘘の嫌そうな顔をしてつくる酒。いや、待って、それはかたすぎるって。もらった酒をそんなバリカタでつくらんでもいいでしょう。

店主いわく、おれが飲ませてもらってるから、この店は30年値上げせずともなんとかやってこれてるんだ!と。物価の上昇すら飲み伏せるウルトラ飲酒です。すごすぎる。

さて今週のヨヨイノヨイは。

そのお店の写真を貼ろうかと思ったのですが、見当たりませんでした。もう火傷しちゃいそうだから、今日は焼きもんはなし!と言ってて、冷や奴だけ食べたのですが。

だいたいいつも夜に書いているこちらですけれども、今回は午前中からやらせていただきました。幾度となくご紹介している通り、空港ビです。

ロボットが注いでくれる完璧な配分。少しお高めかと思いきや、2杯目はカップを返せば半額です。

それではまた来週!

この記事を書いた人

逸見愚栄(へんみ ぐえい)