Senseは、味だけではなく、香り、音、空気、温度、余韻など、五感を通して“良い酔い”を味わうための記事です。Sceneが“どんな夜を過ごしたいか”を辿る記事だとすれば、Senseは、その感覚を演出する料理人、ソムリエ、店主、オーナーたちの思想や技術を深掘りしながら、飲食体験を感覚の記憶をお届けします。
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学芸大学 つきかげ 第1回|ビール党だった店主・高野裕貴氏が歩む、焼酎と人とバタフライエフェクト
東急東横線の学芸大学駅から歩いて数分。 お店のドアを開けると、炭火の香りとともに目に飛び込んでくるのは、カウンター越しに整然と並ぶ本格焼酎のラベルだ。 店主の高野裕貴氏(以下、高野氏)は、客と言葉を交わしながら、一人ひとりの好みやその日の気分に合わせて焼酎を選んでいる。いまや蔵元の思いや造りの背景までを丁寧に語り、これまで焼酎に馴染みのなかった客までその世界へ引き込んでいる高野氏だが、最初から焼酎 […] -
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ANTELOPE第3回|液漏れしたボトルが世界最高賞ー滋賀から挑むミードの未来
液漏れボトルの奇跡と、養蜂家へ届けた世界一の報 全量国産蜂蜜への切り替えという大きな賭けに出たANTELOPEに、思いもよらない朗報が届く。世界最大級のミードコンペティションにおいて、出品したミードが最高の栄誉である「Grand Champion(最高賞)」を受賞したのだ。滋賀の小さな醸造所が成し遂げた快挙。しかし、この受賞の裏側には、谷澤氏本人も驚くような「棚からぼた餅」の真実があった。 「実は […] -
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ANTELOPE第2回|「値切らない」—崩壊寸前の養蜂産業と、ミードが起こす循環
畑で出会った、効率では測れない価値 ANTELOPEを立ち上げた当初の谷澤氏は、原料を提供する日本の農業や一次産業に対して、どこか冷めた視線を向けていたという。 「最初は、国産の農業とかに、またなんか日本の生産者なんか大変なことやってんなみたいな。なんかテック入れたらいいのに、みたいに思ってる超嫌なやつだったんですよね。でもまあ、実際に地域でやってるし、よく来てくれるから収穫手伝い来ますよ、って手 […] -
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ANTELOPE第1回|挫折と大事故、そしてコロナ禍。絶望の先で手繰り寄せたミードとの出会いと「確信の1本」
グラスに注ぐと、やわらかな琥珀色が光を包み込み、華やかな香りが立ち上る。「ミード(MEAD)」というお酒をご存じだろうか。 蜂蜜を原材料として造られる醸造酒で、一説には1万年以上前から存在すると言われている。ワインやビールよりも遥かに古い歴史を持つことから、「人類最古のお酒」として知られている。日本ではまだ馴染みが薄いが、世界各地では古くから親しまれ、多様なスタイルが発展してきた。 「人類最古のお […] -
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nano 第3回|確かな技術をラフにまとう。「ちゃんとしたイタリアン」で自由に気持ちよく飲む焼酎
掛け合わせが生み出す、静かな心地よさ 「うちは焼酎に料理をがっつり寄せるっていう意識、あんまりないかもしれないですね。どっちでも行けるというか、焼酎の方が懐は広いですから。」 カウンター越しにそう語る「nano」の店主・長野氏の言葉には、現代の飲食シーンでは、目立たなくなってしまったが私たち呑み手がもっておきたい、極めて本質的な「自由」が宿っている気がする。 現代のグルメカルチャーは、とても豊かに […] -
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nano 第2回|トリッパ、穴子、羊の脂を包み込む余韻。
イタリアンをやってきた人間が出す「焼酎」の余韻 金曜日から月曜日まで、中国の蒸留酒である白酒(バイチュー)と創作台湾料理で賑わいを見せる渋谷の空間は、火曜日と水曜日の夜になるとその表情をガラリと変える。 ガラス張りの店舗に掲げられるのは、店主・長野雄(ながの・ゆう)氏の個人名義の看板『nano(ナノ)』。カウンターに並ぶのは、昨夜までの異国情緒あふれる白酒のボトルではなく、日本各地の蔵元から厳選さ […] -
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nano 第1回|看板のない異質空間に、二つの夜が迷い込む。
渋谷の境界線で、料理人・長野雄が仕掛ける「選択肢」という名の自由形 渋谷駅から明治通りを南へ歩いて約10分。大通りの喧騒から少し外れた小道に、その店はある。ガラス張りのスタイリッシュな佇まい。しかし、外から覗き込んでも、そこが何を生業としている場所なのかは一見して判然としない。 インテリアショップなのか、デザイン事務所なのか、あるいは飲食店なのか。外から見ていると何屋かわからないため、最初は誰もが […] -
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nano SCENE|自由に合わせていいと思えるそんな気持ちよくなれる飲食経験
駅からお店へ向かう道。週に2日だけ、密かに営業するイタリアンレストラン「nano」。 先日は台湾料理と白酒を楽しんだ。そして今日は、イタリアンと焼酎。やっと営業日と予定が合って訪問! 同じ道を歩いているはずなのに、口の気分がまるで違う。その感覚が、なんだかとてもいい。 お店に入ると、カウンターには焼酎がずらり。イタリアンのお店なのに、焼酎。 お店の雰囲気の中にどこか浮いているような…でも、それがし […] -
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七一飯店 SCENE|知らないものを知るって、こんなに楽しかったっけ。
駅からの歩く道。決して近いわけではない。でも、その距離が逆にいい。お店への期待感と今日のテンションを上げてくれる。少し歩くたびに、今日の気分が日常から離れていく。 扉を開ける。店内にはたくさん飾られている椅子。「これ、自分で好きなの選んでいいんですか?」と思わず聞きたくなるくらい、自由で不思議な空間。食堂みたいでもあり、バーみたいでもある。中華料理屋なのに、中華料理屋らしくない。 でも居心地はいい […] -
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人形町 梅田 後編|100年先へ暖簾を残す。変えぬ伝統と、和食のフィルターがもたらす新たな息吹
五感を揺さぶる「梅田丼」の衝撃と、絶対に変えないこだわり 新しく生まれ変わった『人形町 梅田』の客席に座り、お目当ての看板メニュー「梅田丼」を注文する。運ばれてきたどんぶりの蓋を開けた瞬間、どこまでも芳しい香りが広がる。 丼の中に美しく収まるのは、「地焼き」が生み出す、圧倒的な佇まいのうなぎだ。一度も蒸されることなく、炭火の強火力で一気に焼き上げられた皮目は、お箸を当てた瞬間に「パリッ」と小気味よ […]