駅からの歩く道。
決して近いわけではない。でも、その距離が逆にいい。
お店への期待感と今日のテンションを上げてくれる。少し歩くたびに、今日の気分が日常から離れていく。
扉を開ける。
店内にはたくさん飾られている椅子。「これ、自分で好きなの選んでいいんですか?」と思わず聞きたくなるくらい、自由で不思議な空間。
食堂みたいでもあり、バーみたいでもある。
中華料理屋なのに、中華料理屋らしくない。
でも居心地はいい。不思議だ。
初めてを探しに来た。そんな1杯
今日は白酒から。
でも白酒を、“いつもの飲み方”だけじゃない。
いつものソーダ割りだけでは終わりたくない。
メニューをみると白酒×○○。見たことがない組み合わせばかり。
・レモネード×コーヒー
・コンブチャ×カルダモン
・リンゴジュース
・クラフトコーラ
どれも、白酒特有の華やかさや香りが、むしろ引き立っている。
「これは…!美味しい。」
知っているお酒なのに、知らない味。知らないのに、ちゃんと美味しい。
この感覚がなんとも面白く好きだ。

異国をつまみながら楽しむ空間
前菜をつまみながら、胃と気分の準備を始める。どれも野菜の漬けなのに味の着地が日本じゃない。
あ、今日は異国だったと思い出す。
ラビオリ水餃子はもっちり。噛むと豚肉の香りがふわっと広がる。スパイス感と香りが重なって、口の中がずっと異国。大迫力。


五感が痺れる終盤線
そして、終盤戦。初めて体験する葱そば。
「卵もつけますか?」
その一言に、気づけば反射的に「はい!」と返事をしていた。
たっぷりの葱と香辛料が食欲をそそる香りを放つ。まずはそのまま一口。そして途中から卵を絡める。
タレと香辛料の刺激が嗅覚と味覚を次々に刺激し、そこに卵を絡めれば一皿の中でまったく違う表情を見せてくれる。
それに合わせて白酒の王者「マオタイ(茅台酒)」を頂戴。
「初めまして。」と言いながら、ニヤニヤしながらいただく。
幸・福・感、優・越・感。
知らないものを知っていく感覚に、気持ちが満たされていく。


がっつきたくなる〆
最後は「魯肉飯」
ゴロゴロとした豚バラの脂の旨さと、五香粉の香りがふわっとする。
そこに、「魯蛋」
とろとろの煮卵がさっきのスパイスさをまとめてくれる。
気が付けば、さっきまでたくさん食べているはずなのに、体育会系男子のようにがっついていた。
照明、椅子、音楽、香り。全部が少しずつズレていて、その違和感が心地いい。
人に教えたい。でも少し隠しておきたい。
お店を出ると、神社が目に入る。日本に帰ってきたと。
