三軒酎屋の話をすると、「三軒茶屋を“焼酎の街”にしたいんですね?」と言われることがあります。
確かに、方向としては限りなく近い…
でも、僕が本当に目指したいのは、少し違っていて“焼酎の街”ではなく、“クラフト焼酎を語る街”だったりします…
「焼酎の街」と「焼酎を語る街」の違い
この違いは、言葉にすると凄く小さく見えるかもしれませんが、中身は、かなり違います…
“焼酎の街”という言い方だと、焼酎を飲める店が多いとか、焼酎に力を入れている店が集まっているとか、そんな印象になると思います…
それももちろん大事ですが、それだけだとまだ少し弱いと思うんです…
なぜなら東京では、クラフト焼酎は「そこにある」だけでは、なかなか選ばれないからです!
生産地に行くと、この違いがよくわかります。
そこではクラフト焼酎は、もっと自然な顔をしてて、特別なものとして並んでいるというより、暮らしのすぐ隣にあって、食事の延長にあり、会話の延長にあり、その土地の時間の流れの中で、すでに溶け込んでいる…
わざわざ強く説明しなくても伝わる…
なぜなら、クラフト焼酎がその土地では、すでに“当たり前”だから…
それはもう、アイデンティティ(郷土への誇り)に近く、その土地らしさの一部として、そこに存在する!
だから生産地では、語らなくても成立する確固たる強さがあります…
東京では、クラフト焼酎も「コンテンツ」になる
でも東京では、そうはいきません…
クラフト焼酎は、ビールやワイン・ウイスキー、ジンやクラフトサケと同じように、たくさんの選択肢のひとつとして並びます。
つまり東京では、クラフト焼酎も1つの“コンテンツ”になるのです。
コンテンツであること自体は、悪いことではありません…
むしろ東京は、いろんなものが横並びになるからこそ、新しい出会いが起きる街でもある。
ただ、そのぶん厳しさもあって、ただ置いてあるだけでは届かないし、美味しいだけでも埋もれてしまう…
だから東京では、クラフト焼酎に選ばれる理由が必要になる…
僕は、その理由のひとつが「語りたくなること」だと思っています。
どんな土地で生まれたのか?
どんな人が、どんな思想でつくっているのか?
なぜこの香りなのか?
なぜソーダで割ると、こんなに軽やかになるのか?
なぜ今日は、この一杯がしっくりくるのか?
そういう背景があると、一杯がただの飲み物で終わらなくなって、記憶に残るし、人にも話したくなったりする。
「美味しかった!」で終わるより、「なんで良かったんだろう?」まで行けたりする…
その一歩分、深く入れることが、東京でクラフト焼酎が持てる強さなんじゃないかと思うんです…

お酒の時間を、少しだけ自分に近づける
アナタにとって、お酒を飲む時間とは、正解を当てるためのものではないはずです…
少し気持ちを切り替えたい夜もあれば、誰かとちゃんと話したい夜もあったり、にぎやかさより、静かな一杯が似合う日もあるでしょう…
そんな夜に、「この一杯が合う理由」まで含めて楽しめたら、お酒の時間は少しだけ自分に近づく気がします…
だから三軒酎屋が目指しているのは、“クラフト焼酎が飲める店が多い街”ではなくて、店ごとに違う入口があり、つくり手の背景が街に流れ込み、飲み手の体験がまた別の会話につながっていく街です…
ある店ではソーダ割りが入口になるかもしれないし、別の店では料理との相性で好きになるかもしれない…
また別の場所では、蔵元の話を聞いて、その一杯の見え方が変わるかもしれない…
入口は、ひとつじゃなくて良くて、どこから入っても、その一杯の向こう側に少しだけ物語がある…
そういう状態が街の中に増えていけば、クラフト焼酎は“棚に並ぶひとつのコンテンツ”のままでは終わらないはずです…
三軒茶屋は、その実験に向いている
三軒茶屋は、その実験をするのに向いている街だと思ってて、日常の延長で立ち寄れるのに、面白いものにはちゃんと反応する、なんだかクリエイティブな酔っ払いが生息する街だから…
全然気取ってないのに、アンテナ感度はめっちゃ高い。
一軒で終わるより、少し歩いて、もう一軒寄って、会話の続きを持ち運べる。
そういう街のリズムがあったりします。
生産地には、生産地の強さがあって、そこではクラフト焼酎は、すでにアイデンティティです。
でも東京には、東京の役割があって、コンテンツとして並ぶからこそ、編集できて、再発見できる…
そして、語ることでカルチャーに育てていける…
だから僕は、“焼酎の街”ではなく、“焼酎を語る街”をつくりたい!
クラフト焼酎をきっかけに、人と街のあいだに会話が生まれる、味だけでは終わらない魅力が、自然に共有されていくこと。
その積み重ねの先に、三軒茶屋らしい夜の輪郭が立ち上がってくること。
三軒酎屋が目指しているのは、たぶん、そういうことです。



【三軒酎屋の中の人note】
毎週土曜日更新
【限定20名】寿福酒造場を囲む会 in 三軒茶屋
球磨焼酎の名門・寿福酒造場を、三軒茶屋でじっくり楽しむ夜。
「米焼酎って、こんなに奥深かったんだ…」
そんなふうに、いつもの一杯の見え方が変わる瞬間があったりします…
それは、ただ飲むだけではなく、その焼酎がどんな土地で生まれ、どんな人の手で造られているのかを知った時だと思います
今回は、熊本県人吉市の球磨焼酎の名門・寿福酒造場の杜氏さんを囲んで、三軒茶屋で飲む会を開催します。
寿福酒造場は、1890年創業。
球磨焼酎の伝統を守りながら、常圧蒸留一筋で焼酎を造り続けてきた蔵です。
代表銘柄の「武者返し」は、米のふくよかな香りと旨味が魅力の一本。
そして、四代目杜氏・寿福絹子氏の名を冠した麦焼酎「寿福絹子」は、香ばしさと厚みがあり、一般的な“軽い麦焼酎”とは少し違う表情を持っています。
でも、焼酎の面白さは、スペックだけでは伝わりません。
なぜ、この土地で造られているのか?
なぜ、常圧蒸留にこだわるのか?
どんな料理と合わせると美味しいのか?
どんな想いで、次の世代へつなごうとしているのか?
蔵の方から直接そんな話を聞きながら飲む一杯は、同じ焼酎でも、少し違って感じられるはずです。
会場は、三軒茶屋の有名店「居酒屋ひでじろう」の2階活気があって、料理もお酒もちゃんと美味い!
気取った会ではなく、美味しい料理を囲みながら、寿福酒造場の焼酎をじっくり楽しむ“良い夜”にしたいと思っています。
焼酎に詳しい人は、より深く。
まだ詳しくない人は、いつもより少し近く。
球磨焼酎の名門・寿福酒造場の魅力を、蔵の方の話と一緒に味わえる貴重な機会です。
限定20名!
気になる方は、お早めにどうぞ。
開催概要
日時
2026年7月14日(火)
19:00スタート(3時間)
会場
居酒屋ひでじろう
三軒茶屋を代表する大衆酒場
「時間制・食べ飲み放題」というユニークなスタイルで、料理・お酒ともにクオリティが高く、活気ある雰囲気の中で蔵人さんとの会話もゆっくり楽しめる空間です。
コース内容
3時間 8000円
飲み放題/食べ放題
※詳細メニューは当日のお楽しみ
アクセス
東急田園都市線・世田谷線
三軒茶屋駅 徒歩4〜5分〒154-0004
東京都世田谷区太子堂4-28-9
☎︎ 080-7201-0291
女性の1人飲みの参考書?

